桐箱の種類

桐箱の種類

ハコヤが作る箱の種類は数千種類とも数万種類とも言われている。桐箱は軽く保存性能に優れているため、保存容器や化粧箱としての用途に多く使われており、そのため入れる物によって寸法や形が異なるからである。このことから注文主を称して「中身や」と呼ぶこともあった。

桐箱部分名称

箱は「蓋(フタ)」と「身(ミ)」とに分かれ、フタの面板を「天板(テンイタ)」身の面板「底板(そこいた)」という。側面周の板を総称して「横手(ヨコテ)」と呼ぶ。インロウ箱の場合、蓋と身の勘合する部分を「立ち上がり(タチアガリ)」と呼び、上底の下の部分を「足(アシ)」と呼ぶ。

蓋の形状と種類

桐箱の種類

①インロウ

印籠に代表されるインロウ蓋の形状から来た名称で側周りの板から立ち上が印籠蓋りを削り出した形状を本印籠といい、別板で身に立つ上がりを取り付けたものを「方印籠(ホンインロウ)」、蓋に立ち上がりを「逆印籠(サカインロウ)」と呼ぶ。

②カブセ

蓋、身の面積が大きく浅い箱に多く使用される形で、インロウよりも高級な箱で書道具箱や文庫箱にもちいられる。 カブセは蓋の側面装飾として「刳り(クリ)」を入れることも多い。刳りの種類は、半月・蒲鉾・二段船底・カエル股・三階松などがある。

③サンブタ

平板の裏側に桟木を取り付けて蓋にした形状をサンブタと呼ぶ。2ヶ所平行に桟木を取り付けたものを「二桟方桟(ニホウザン)」、四方に取り付けたものを「四桟方桟(シホウザン)」と呼び、瀬戸物などの陶器を入れる箱に用いられることが多い。

④オキブタ

平板の裏側側周りの板がはまる切欠きを入れ、蓋がずれないようにした形状硯箱などに用いられる。

⑤サンブタ・オトシド

箱の側板に溝を掘り、蓋板を溝に差し込んで開閉する形式で、箱を横にして使用する形式をサシブタ、箱を立てて使用する形式を「落とし戸(オトシド)」と呼ぶ。

⑥ケンドン

落とし戸と同様の形式であるが蓋を引き抜くのではなくて前に取り外す形式で、平椀に盛ったうどんやそばを「検飩(ケンドン)」といい、それを入れて運ぶ出前箱の形式からケンドンと呼ばれている。

底の形状


面取、飾り


箱組

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